こんにちは!兵庫・大阪全域でシャッター修理・交換を行っている『(株)若松シャッター』代表の若松です。今回は「防火シャッターの非常電源装置(バッテリー)」について、17年の現場経験から分かりやすく解説します。
結論から言うと、非常電源装置とは、停電しているときでも防火シャッターを動かせるように電気をためておく装置です。中の蓄電池(バッテリー)は4年に1度の交換が目安と決められており、古い装置でも新しい装置でも、この4年は変わりません。期限が切れたまま放置されていると、いざというときに閉じないということが起こり得ます。交換するのは基本的に蓄電池だけで、装置ごとの交換になるのは中の基板やつなぎ目が傷んでいる場合です。
「防火設備の点検で、非常電源の交換を勧められた」「バッテリーの期限が切れていると言われたけれど、見た目はなんともない」——防火シャッターのある建物のオーナー様や管理会社様から、こうしたご相談をいただきます。普段は静かに付いているだけの装置ですので、なぜ交換が必要なのかピンと来ないのも当然です。この記事では、この装置が何のためにあるのか、なぜ年数で交換するのか、そしてよく混同される「人に当たると止まる装置」のバッテリーとは何が違うのかを、順にご説明します。
お電話(072-710-5472)、もしくは💬 LINEで無料相談から、お気軽にどうぞ。点検で指摘された内容の見方から、代表が直接ご説明します。
防火シャッターの「非常電源装置」とは
停電していても動かせるように、電気をためておく装置
火災のときは、停電が同時に起きていることが少なくありません。ブレーカーが落ちる、配線が焼ける、電気が止まる——そうした状況でも、防火シャッターは閉じて火と煙をせき止めなければなりません。
そこで、建物の電気とは別に電気をためておく装置が置かれます。これが非常電源装置です。壁や機械室に取り付けられた箱型の装置で、中に蓄電池(バッテリー)が入っています。普段は建物の電気で充電しながら待機しており、停電になったときに、ためていた電気を送り出します。
閉じるきっかけをつくるのは、天井の感知器です
ここを誤解されている方が多いのですが、停電したから閉まる、のではありません。
防火シャッターが閉じるきっかけは、天井に付いている煙感知器や熱感知器が火災を感知することです。感知器からの信号を受けて、シャッターが降り始めます。非常電源装置は、そのときに電気が止まっていても動けるように支えている、いわば控えの電源です。
ですので、防火シャッターがきちんと働くには「感知器」「信号を受けて閉じるしくみ」「停電に備えた電源」の3つがそろっている必要があります。点検では、この一つひとつを確認します。
🔴 「人に当たると止まる装置」のバッテリーとは、別のものです
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
防火シャッターまわりには、バッテリーを持った装置が2種類あります。名前が似ているうえ、どちらも「停電に備えた電池」なので、現場でもよく混同されます。
- 非常電源装置……停電していても動かせるように電気をためておく装置。蓄電池の交換は4年に1度
- 降りてくる途中で人や物に当たると止める安全装置……その制御をしている機器の中にも、別のバッテリーが入っています。こちらは取り付けられた年代によって5年または10年
交換の期限がまったく違います。点検で「バッテリーの交換」と言われたとき、どちらの話なのかで、費用も工事の内容も変わります。点検報告書に書かれている装置の名前をご確認いただくか、分からなければ写真を撮ってお送りください。こちらで見分けてご説明します。
安全装置側のバッテリーについては、防火シャッターは人に当たると止まる?危害防止装置の仕組みと注意点で詳しくご説明しています。
蓄電池の交換は「4年に1度」|古い装置も新しい装置も同じです
4年という数字は、装置の側で決められています
非常電源装置の蓄電池は、4年に1度の交換が目安です。これは使い方が荒いか丁寧かにかかわらず、装置の仕様として決められている数字です。
そして、この4年は昔の装置でも今の装置でも変わりません。「古いタイプだからもっと短い」「新しいタイプだから長くもつ」ということはなく、年代を問わず4年です。ここは、もう一つの安全装置側のバッテリー(年代によって5年・10年と分かれます)とはっきり違う点です。
期限が切れると、いざというときに動きません
蓄電池は、使わなくても少しずつ弱っていきます。年数が経つと、見た目には何ともなくても、必要な電気を出せなくなります。
怖いのは、普段はまったく困らないということです。日常の開け閉めは建物の電気で動きますので、蓄電池が空でも何も起きません。足りないことが分かるのは、停電したそのときです。装置は付いていて、外から見て異常もないのに、肝心なときだけ動かない——という状態になります。
なお、テナントの空き期間や改装工事などで長く電気を落としたままにしていると、蓄電池の寿命が縮むことがあります。長期間の停電が分かっているときは、事前にご相談ください。
装置の表示に、状態が出るようになっています
非常電源装置には、状態を知らせる表示が付いています。蓄電池が寿命を迎えている、充電が足りていない、装置の中身に異常がある——といったことが、表示で分かるようになっています。
ですので、「装置のランプや画面が、いつもと違う状態になっている」というだけで、十分な相談のきっかけになります。何が出ているか読み取れなくて構いません。写真を撮ってお送りいただければ、こちらで判断します。
点検で「非常電源の交換」を指摘されたら
防火シャッターには、定期的な検査と報告が求められます
防火シャッターは建築基準法でいう防火設備にあたり、同法第12条にもとづく定期検査と、その結果の報告が求められる建物があります。報告先は特定行政庁(お住まいの自治体の建築部局)です。
消火器や自動火災報知設備などの消防用設備等点検(報告先は消防署)とは、別の制度です。混同されやすいところですので、点検の案内が届いたときは、どちらの点検なのかをご確認ください。
検査では、シャッターがきちんと閉じるかどうかに加えて、感知器・安全装置・非常電源といった、支えている部分もあわせて確認されます。非常電源の期限切れが指摘されるのは、この流れの中でのことです。
指摘は、放置しても消えません
期限切れの指摘は、直さないかぎり次の検査でもまた挙がります。そのあいだ、建物は「いざというときに閉じないかもしれない防火シャッター」を抱えたままになります。
防火シャッターは、火と煙を止めて、人が逃げる時間をつくるためのものです。費用の問題で迷われている場合も、まずはご相談ください。何をいつまでに直すべきか、優先順位も含めてご説明します。
交換するのは蓄電池だけ|装置ごとになるのは別の理由です
4年ごとに替えるのは、中の蓄電池です
まず押さえていただきたいのは、4年ごとの交換で替えるのは蓄電池であって、装置そのものではないということです。装置は据え置いたまま、中の蓄電池を新しいものに入れ替えます。
「バッテリー交換と言われたのに、装置ごとの見積もりが出てきた」という場合は、次のような別の事情があるはずです。その理由の説明を求めてください。
装置ごとになるのは、中身が傷んでいるとき
装置ごとの交換になるのは、主に次のような場合です。
- 装置の中の基板が傷んでいる……電気を制御している部分そのものの不具合です。この場合、蓄電池を替えても直りません
- 蓄電池とのつなぎ目が傷んでいる……接続部分が正常でない場合、新しい蓄電池を入れても確実につながりません
- 設置環境の影響……湿気や粉じんが多い場所では、中の部品が傷みやすくなります
いずれも、ふたを開けて中を見なければ判断できません。点検の記録と現物の両方を確認したうえで、蓄電池だけで済むのか、装置ごとになるのかをご説明します。
🔴 「表示だけ消して終わり」は、絶対にさせないでください
非常電源装置には、蓄電池を交換したあとに年数の数え直しをする操作があります。この操作をすると、期限切れの表示が消えます。
装置の説明資料には、「蓄電池を交換せずに、表示を消す目的でこの操作をしてはいけない」とはっきり書かれています。
操作だけをすれば、表示は消えます。見た目は正常に戻ります。ですが中の蓄電池は古いままで、いざというときに動きません。期限切れを指摘されたあと不自然に早く表示が消えている場合は、「蓄電池は実際に交換されたのか」を必ずご確認ください。交換した年月の記録が残っているはずです。
お電話(072-710-5472)、もしくは💬 LINEで無料相談。点検報告書の写真をお送りいただくだけでも、内容の見方をご説明できます。
ご自身で確認できること・やってはいけないこと
確認できるのは、記録と表示を見るところまでです
- 前回いつ交換したかの記録を見る……点検報告書や、装置に貼られた記録で確認できます
- 装置の表示を見る……いつもと違う状態になっていないかを見るだけで十分です
- 点検報告書の指摘欄を読む……どの装置について指摘されているのかを確認します
やってはいけないこと
- ふたを開けて中をさわる……電気が通っている装置です。感電や故障の原因になります
- 蓄電池をご自分で用意して入れ替える……装置に合ったものが決まっており、交換後の操作も必要です
- 表示が消えたからと安心する……蓄電池が交換されたかどうかは、表示だけでは分かりません
- 「今は動いているから大丈夫」と、期限切れの指摘を放置する……普段の開け閉めは建物の電気で動いています
- 動いているシャッターの下で、閉まり具合や安全装置を体で試す……重量物です。絶対におやめください
非常電源装置は、いざというときに人の安全を守るための装置です。判断に迷ったら、無理をせず点検業者や当社にご相談ください。
気になる修理・点検の費用について
非常電源装置の交換にかかる費用は、装置の種類や状態、建物の状況によって変わるため、この記事で金額をお約束することはできません。(株)若松シャッターでは、代表が直接現地を確認し、その場で状況と概算の費用をお伝えしています。現地調査・お見積もりは完全無料です。まずは実際の作業のイメージをつかんでいただくために、これまでの施工事例をご覧ください。非常電源装置の交換をはじめ、さまざまな工事の実例を、実際のご請求額まで公開しています。
実際の施工事例はこちら:施工事例一覧((株)若松シャッター)
非常電源装置まわりの実例:
会社のことをきちんと確かめてから相談したいという方は、対応エリア・実績・会社情報をまとめた(株)若松シャッター 公式トップもご覧ください。どんな人間が現場に伺うのか、安心して判断していただけます。
よくあるご質問
Q1.蓄電池(バッテリー)は自分で交換できますか?
- おやめください。電気が通っている装置で、ふたを開けての作業になります。
- 装置に合った蓄電池が決まっており、市販品で代えられるものではありません。
- 交換したあとに年数を数え直す操作も必要で、これを忘れると次の点検で異常として挙がります。
Q2.交換の目安はどのくらいですか?
- 非常電源装置の蓄電池は、4年に1度が目安です。
- 古い装置でも新しい装置でも4年で、年代による違いはありません。
- 前回の交換時期は、点検報告書や装置の記録で確認できます。
Q3.「人に当たると止まる装置」のバッテリーと同じものですか?
- 別のものです。装置も、交換の期限も違います。
- 非常電源装置は4年。安全装置側の機器に入っているバッテリーは、取り付けられた年代によって5年または10年です。
- そして安全装置側は、古い機器に新しい期限のバッテリーを入れて延ばすことはできません。世代ごとに合うものが決まっているためです。
- 詳しくは防火シャッターは人に当たると止まる?危害防止装置の仕組みと注意点をご覧ください。
Q4.見た目は問題なさそうですが、本当に交換が必要ですか?
- 必要です。蓄電池の弱りは、外から見て分かるものではありません。
- 普段の開け閉めは建物の電気で動くため、蓄電池が空でも日常では何も起きません。
- 足りないことが分かるのは停電したそのときで、それでは間に合いません。
Q5.停電すれば、防火シャッターは自動で閉まるのですか?
- いいえ。閉じるきっかけは、天井の煙感知器・熱感知器が火災を感知することです。
- 非常電源装置は、そのときに停電していても動けるように支えている控えの電源です。
- 建物や機種によって仕組みは異なりますので、現物を確認したうえでご説明します。
まとめ
防火シャッターの非常電源装置は、停電していても動かせるように電気をためておく装置です。中の蓄電池は4年に1度の交換が目安で、この4年は古い装置でも新しい装置でも変わりません。期限が切れていても普段はまったく困らず、足りないことが分かるのは停電したそのときです。交換するのは基本的に蓄電池だけで、装置ごとになるのは中の基板やつなぎ目が傷んでいる場合です。また、蓄電池を替えずに表示だけを消す操作をしてはいけないと、装置の資料に明記されています。降りてくる途中で人に当たると止まる安全装置のバッテリーとは、別の装置・別の期限(年代により5年または10年)です。点検で指摘を受けたら、どちらの話なのかも含めて、代表が直接現地を見てご説明します。
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